元銀行員税理士の会社設立イロハのイ
■個人事業or会社設立?
表題のテーマから「会社設立の仕方」と思われた方にとっては
ちょっと期待はずれかもしれません。
自分の経験からやみくもに「会社設立」をお勧めすることはできません。
何故なら、失敗した方を多数見てきているからです。
このブログを通じて、私のこれまでの銀行員⇒メーカー勤務⇒税理士という
現場経験を通じて起業や会社設立について思ったことを出来るかぎり
実践的でわかりやすく皆さんにお伝えしていきたいと思います。
よろしくお願いします!
税理士になってからよく相談を受けるのが「渋谷さん、個人事業ではじめた方が
良いですかそれとも会社を作ちゃったほうが良いですか?」という質問。
よく、「会社のほうが節税になるんじゃないですか?」という方がいます。
その通り、節税になると言えます。ただし、条件付です。
簡単に言うと一定以上の利益が出る場合です。(これについては次回以降で)
法人化の簡単な目安としては以下の3つの観点で考えるのが良いのではないかと
思います。
①顧客が不特定多数か
②銀行から借入をする計画があるか
③人を雇用する予定があるか
この3つのどれかが”YES”なら初めから法人化(会社設立)を考えるのが
良いでしょう。
全て”NO”ならば取りあえず個人で始めて軌道に乗ってきたところで
節税などのために法人化(会社設立)を検討するというのが定石です。
株式会社にする場合、最低でも設立費用が35万円程度かかります。
それと帳簿もきっちり整備しなければなりません。(個人事業が
いい加減で良いという意味ではありませんよ!!)
そのため固定費は会社のほうがかかると思った方が良いでしょう。
(わたくし税理士としてはここが商売になるのですがね・・・。でもだめですよ
安易に考えては。)
もっとも良くないのが、”社長だ~”という潜在的な憧れから会社をつくってしまう
いわば”サラリーマン的”発想からつい会社をつくってしまう行動。
これ良くないです。これで失敗する方をたくさん見てきました。
初めから節税を考えて「会社」で、というのもどうかと思います。
なぜなら事業計画とは大抵なかなか計画通り行かないものだからです。
法律の改正で簡単に会社は作れるようになりましたが、決して
会社設立=事業の成功ではありませんので、ここは冷静に考えましょう!
それ以外にも
④目指す事業規模がどれくらいか
⑤売る製品(サービス)、市場が定まっているか
なども大切な判断基準です。
昔から「小さく生んで、大きく育てる」ということわざがあります。
事業も同じことが言えます。
会社を設立してスタートするにしても”固定費”は出来る限り絞って
最小限にすることを心がけて計画しましょう。
そう心がけていてもいろいろと思わぬお金がかかるものですから。